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第40回 有能な上司が部下を指導するには

サッカーワールドカップ・ドイツ大会で、日本チームは1勝もできずに敗退した。
ジーコ監督は選手の能力を過大評価したのでは、というのがもっぱらの見方だ。
 
スポーツに限らず、有能な人、必ずしも有能な指導者とは限らないようだ。
有能な人は自分を育てるにはまとこに熱心で、自分に合った、正しい学習法を身につけている。ところが、部下を育てるとなると、自分の時のようにはいかない。
 
なぜか? 自分のやり方を相手に押し付けてしまうからではないか。
人間一人ひとり、みんな違う。その人に合った指導の仕方を生み出す必要があるのに、自分の流儀に基づいて指導しようとする。
自分はそれで成功して今日があるわけだから、自分のやり方が正しいと信じ込み、相手や状況に目が向かなくなる。有能な上司の落とし穴がここにある。
 
近ごろ「部下の自主性を尊重する」など、しきりにもてはやされている。考え方自体は正しいが、やり方については様々な工夫が必要だ。
 
なんの指示も指摘もしないまま、「きみはどう?」と問いかけるだけで、自分で考える人間が育つなら、こんな楽な方法はない。が、人はそれほど簡単ではない。
 
発言が過激で、態度の大きい社員がいて、周囲から警戒されていた。上司は彼を放任していた。
その社員がコミュニケーションのセミナーに参加した。自己紹介スピーチで前に出てくる時、体を左右にゆすって、よたつくような歩き方をした。
それを見た講師が「今の君の歩き方を真似してみようか」と言って、そっくりそのままをやって見せた。
会場はシーンとなった。構わず講師は「かっこいいと思うかい」と問いかけた。彼は苦笑いをして首を横に振った。

「君はいい体格なんだから、背筋を伸ばして姿勢よくしたら素晴らしいよ」。この指摘で、彼は自分の姿に気づいた。
 
ジーコ監督は選手に指示しなかったという。彼もまた、自分の流儀を押し付けてしまったのだろうか。
選手に合った指導をするために、ジーコ監督は日本語こそ、覚えるべきではなかったか。

福田賢司

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