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部下を育てるコミュニケーションにおいて「聞く」は何度なく登場する。またか、と感じる人もいるだろう。
逆を言えば、それだけ「聞く」ことが重要だからだ。
人は誰でも話を聞くよりも、話す方が好きである。話すは、放つで解放だから、思っていることをしゃべっていれば気持ちが楽になる。
聞くは、受け入れることだから、負担を伴う。
「今日は疲れた。口をきく気もない」。そう言いながら、とりとめない話をしているうちに、疲れがとれてくる。一方疲れている時、話を聞くのは並大抵のことではない。
聞くとは、受け入れることであり、さらに理解することである。話を聞いて、この2つがパーフェクトにできる人はまずいない。
異なる意見や反論を受け入れるのは、そう簡単ではない。
A.H.マズローは「反対意見に弱い人は駄目だ」と述べているが、反対意見に耳傾けることの難しさを指摘している。
「どんな時でも、受け入れるより拒絶の理由を見つけるほうがはるかに安易だ」。ピーター・ベンチリの小説の中に出てくる人物のセリフだ。頷きたくなる一言である。
そのうえ、話を聞いて相手を理解しなければならない。ちょっと話を聞いたくらいで、部下のことなど理解できるものではなかろう。
だから簡単に「分かるよ」「分かる、分かる」と言う人に対して、<そんなに簡単に分かられてたまるか>と反発もしたくなる。
とはいえ、人間、自分のことを理解してくれない相手に対して、言うことを聞こうという気になれない。
少しでも分かろうと努力してくれる上司に、部下は従いたくなる。
聞くことは難しい。そして多くの場合、上司と部下が話し合っている時は、上司のほうがたくさんしゃべっている。
だからこそ、聞くことにもっと力を入れる必要がある。聞くことで相手の考え、気持ちに少しでも接近する。そこから指導が始まる。
福田賢司
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