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サブリーダー、リーダー、課長という職制の職場の話しである。
リーダーがほかの職場に異動になって新しいリーダーが任命された。
新しいリーダーは現場の業務はほとんど知らず、仕事の知識も十分とはいえず、おぼつかない状態だった。
従って、業務の割り当ての時などはベテランのサブリーダー相談してやればよいと思うのに、そうしなかった。
サブリーダーの小林さんは、新リーダーのやることを見ていて、ハラハラの通しだった。業務の割り当ては明らかに不公平かつ、不適切だった。
部下たちも不満を漏らし始めた。小林さんも新リーダーのやることに納得がいかないので、何とかしなければと思案した。
小林さんにしてみれば、新リーダーは馴染みも薄く、ものが言いづらいところがあるのだが、課長は以前から馴染みの人であり、そのうえ
「何かあったら言ってくれよ。いつでも話は聞くから」と口癖のように言っているので、新リーダーの件を課長に話した。
しかし、話を聞き終わった課長は「そうか」と言ったきりだった。小林さんは「何とかなりませんかね」と一歩押し込んだが、
課長の答えは「新リーダーでやっていくという方針だからな。一度決めた方針は変えられんよ」
リーダーを変えてくれなどと言っているのではない。
業務の割り当てについて今のリーダーのやり方を改めてほしいと言っているのに、課長は「方針は方針だから」の一点張り。
小林さんはカッとなって、「そうですか。分かりました!」と怒って席に戻ってしまった。
「何でもはなしてくれよ」と口先で言うのは、誰でもできる。問題は聞いた後の出方なのである。
都合の悪い、現状変更を求められた時など、「方針は方針だから」の一辺倒では何のために聞いたのかわからない。ここは次の一言がほしいところだ。
「きみからリーダーにアドバイスしたらどうだい。僕からもそれとなく言っておく」。聞いた後の出方でリーダー力が分かるのだ。
職場には「話を聞くだけ」のことなかれリーダーが意外と多い。
福田賢司
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