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コミュニケーションは、双方向に作用する時、本来の機能を発揮する。
情報が溢れていても、一方向のみに流れるのではコミュニケーションとしての働きを果たすことはできない。
ピーター・ドラッカーはこの「関係の双方向性」が人を育てると指摘している。
先日、一際目立って感じの良い管理者に出会った。
彼は40代半ば。話す時、聞く時、
(1)生き生きとした表情
(2)気持ちのこもった相づち
(3)要所要所でのアイ・コンタクト
の三拍子がそろっていて、彼とコミュニケーションしていると、思わず引き込まれてしまう。
「素晴らしいですね」と褒めたところ、彼は一呼吸おいてから、「かなり意識してやっているんです」とのこと。
「とてもそんな風には見えませんね。むしろ、いたって自然な姿だと思いますが。」すると彼はこんな話をしてくれました。
もう1年ぐらい前のこと。そのころ、彼はちょっと気になることがあって、頭を悩ましていた。
朝、部下に「おはよう」と声をかけるのだが、態度がよそよそしい。ヒンヤリした冷たい反応が返ってきて、声をかけたほうが戸惑ってしまう。
そのうち<これは自分自身に問題があるのでは>と気がついた。
強張った硬い表情のまま、「おはよう」と言っていたのだ。これでは声をかけられる部下だって、身構えてしまう。
その日以来、彼は努めて明るい笑顔で、声をかけるようにした。1カ月ほど続けるうちに、部下の表情にも笑顔が見られるようになったという。
「部下に教わったんですよ。部下は上司の姿を映す鏡だっていうことを」
上司は部下に命令を下すのが仕事とばかりと、一方的なコミュニケーションに終始している管理者はいないだろうか。
「命令」には「服従」しかない。これでは人は育つまい。上司は部下を育てる者なのである。それには部下からの発信を受け止め、自らを変えていく事態が大切になる。
福田賢司
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