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『バカの壁』と題する本の中で、著者の養老孟子氏は「話せばわかるなんて大嘘だ」と述べている。
私もコミュニケーションに関する講演で、かねてより「コミュニケーションは通じないものだという前提からスタートしよう」と呼びかけている。
話せばわかる、コミュニケーションは通じるものという認識でいるために、話が通じないと
短気を起こし、「あんなヤツとは話すだけ無駄だ」とディス・コミュニケーション状態に陥るのである。
通じないからこそ、なんとか通じさせようと、努力・工夫を傾けるのだ。簡単にあきらめないで、粘り強く話し合うのもそのためである。その際のポイントを3つ挙げておく。
(1)しゃべり過ぎない
話し合うとはお互いに、相手を理解することである。
上に立つ者はともすると、「まあいいから聞け」と、自分の意見や判断を一方的にしゃべりがちだ。
相手にも相手なりの意見、事情などがある。それらにまず、耳を傾けよう。そのうえで、こちらの意見、要求を述べる。
この繰り返しの中に、通じ合える芽が生まれるのだ。
(2)すぐに決めつけない。
部下が期限までに仕事を仕上げてくれない。しかも、1度ならず2度」も期限遅れだ。「困るじゃないか、きみはあてにならない人間だな」と決めつけたくなる。2度も期限に間に合わないのには、何か事情があるかもしれない。「あてにならないヤツ」と決めつける前によく話し合ってみるべきだろう。
(3)腹を立てない。
相手から反論されたり、都合の悪いことを言われたりすると、頭にくる人が多い。
上司が声を震わせて「なんだ、その言い方は!」「嫌ならやらなくていい」と言い返せば、話は途切れる。粘り強くなるためにも、余裕が必要だ。
一見、上司に向けられた反論のようでも、話し合ってよく吟味していくと、検討に値する意見が含まれている場合もある。不都合なこと、厄介な問題に直面した時こそ、粘り強く話し合う態度が求められる。それはまた、余裕にもつながる。
福田賢司
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