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自発意思を喚起するための「説得の5条件」とは、次の5つを指す。
1.聞き役に回る
2.肯定的に言う
3.具体的な方法提示
4.イメージが浮かぶように話す
5.視点を変える
1と2は前回述べたので、今回は残る3項目を取り上げよう。
やればできるという見通しが立たなければ、人は説得に難色を示す。
仕事のスマート化に伴い、定員5人を4人に削減しなければならない。4人で現在の仕事をこなすにはどうしたらよいか。
上司として、あなたは具体的な策を提示して話し合う必要がある。
「会社の方針だから4人でやるように」と、一方的に言い渡すだけでは説得ではなく、告示だ。
実現可能な方法が示された時、「これならやれそうだ」と自発心が動くのである。
4は説得に応じた場合と、応じない場合にそれぞれどうなるか、目に浮かぶように話すことである。それには例え話がいい。
新幹線でドア近くの席に座った時のことだ。
ドアが開いて外国人男性が現れ、向き直って手でドアを閉めようとしている。
自動ドアだから自分が脇にどけば閉まるのに、気づかないのか、そこに立ったまま一生懸命手で閉めようとしているのだ。
人間関係で悩んでいる人にこの話をして、「自分が変われば(どけば)、相手も変わる(ドアが閉まる)」と一言付け加えた。
彼は納得した。例え話やエピソードなどが説得力を発揮するのは、イメージが浮かびやすいからである。
5は、角度を変えることで新たな気づきをもたらし、相手をその気にさせる方法である。
1つのパイを2人で分けようという場合、半分ずつにしても、空腹で丸ごと1個食べたい者には不満が残る。
まして、上司の立場を使って「大きいほうを寄こせ」では、一層不満が募る。
そこでパイを大きくする、もう1個作るなど、発送を転換してみるのである。
視点のほかに「人」「場所」「時間」を変える方法もある。
自分の代わりに、ほかの者に説得してもらう。これを「クッション説得」という。
福田 賢司
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