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第1回 コロナ禍に入社した新人を現場はどう指導するのか?

この度、コロナウィルスの影響で、2020年入社の新人は、充実した内容・環境で研修を受けることなく配属されるケースが出てきた。最低限、オンライン研修などで聞きかじった程度。新人を受け入れる現場では、いったいどのような問題が起きるのか、そして指導する側はどうすればいいのか、初の事態に不安は多い。

新人研修期間というのは近年短くなってきているとはいえ、社会人としての滑り出しに不可欠と言える。徐々に心構えができ、自覚が芽生えてくるのに、2週間程度必要だと言うことは、先輩方が自分の過去に思いをはせれば理解できるはずだ。

つまり、第1の問題点として、社会人としての自覚、覚悟に乏しい状態のまま受け入れることになるということだ。それは、指示の出し方(もしくは指導の仕方)ひとつとっても相当な慎重さが必要になることを意味している。

昨年は、新人研修で、「怒られ方、叱られ方」をテーマに実施してほしいという企業が実際にあった。すぐにめげてしまう、すごく落ち込んでしまう新人が多い、という理由だったが、まさか怒られ方を教えてくれと、言われるとは思わなかった。「先輩があなたを叱るのは大いなる期待の裏返しなんですよ」ということを伝え、ケーススタディを実施したのだ。

第2に、同期の絆や、会社への帰属意識が育っていないことも問題と言える。研修期間中に培われる同期同士の絆は、入社して半年過ぎたあたりでおこる、「この会社で本当に良かったのか」等の迷いを消してくれる。励まし合う関係があるのとないのとでは大違いだ。離職を減らす最も有効な方法は、同期の中に絆を生み出すことである。

さらに、愛社精神というものも、社内の良好な人間関係があってこそ生まれるものだ。新人研修では、コミュニケーションの基礎領域を学ぶため、職場に溶け込むのも早くなる。しかしその学習はほぼ無い状態でやってくる。プールで練習せずに海に放り込むようなものだ。溺れるのは容易に想像がつく。

受け入れ職場の上司は、これらのことを踏まえ、例年通りでなく、今まではやってこなかったような指導をする必要があるということだ。

まずOJT指導の内容を見直すこと。人事ができないなら、現場でやるしかない。業務の内容、商品知識など従来のものの他に、挨拶や敬語といったマナーから、報連相などの基本的なコミュニケーションまで、取り入れなければならない。

そして、新人に対する人間教育とでもいうべき、大人の人付き合いを教える必要もある。ゆるやかに溶け込み、自然と学ぶ流れが壊れた以上、社会の中で生きていく知恵を教えてあげることが求められる。

これらのことを、現場で管理者と共に考え、どのように新人を育てていくのか、計画を立てる必要がある。ほめ方、叱り方についても現場の人間が学び、対処できるようにしなければならない。

そのヒントになるようなことを、これから様々な事例を取り上げ、シリーズで発信していこうと考えている。

福田賢司

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