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ヤマト運輸元会長の小倉昌男氏は、次のように述べている。
「ヤマトでは、社長も部長も一銭も稼がない。稼ぐのは、一個一個荷物を配達するセールスドライバーである」
サービスドライバーは荷物を届けるとともに、顧客の声を聞くことに熱心である。
伸びている会社は、顧客の声を聞くことでコミュニケーションの双方向性を確保する。
組織の内部でも、上から下への一方通行に終わらぬよう、「聞く」ことに向けての意識改革が盛んである。
コミュニケーションを支える要素の1つに「相互性」がある。
だが現実には、発信に偏る一方的伝達をコミュニケーションと思い込んでいる向きが多い。
話すだけ、聞くだけでは、相互性は失われる。発信しつつ、時には聞き役に回ることを忘れてはならない。
聞き役に回るにも技術が要る。ただ黙って聞いているのを、聞くことだと勘違いしてはならない。
「聞く」とは、つまり返信することであるから、打てば響くように聞く必要がある。
「この通り、あなたの話を真剣に聞いているよ」と、表情や相槌、アイ・コンタクトなどによって伝えるのだ。
聞くという行動も表現なのである。
表現としての「聞く」は、発信者を動かす力を持つ。試みに部下の話を、次のような相槌を打ちながら聞いてみるといい。
部下のコミュニケーションへの意欲は確実に高まるはずだ。上手に聞くことが及ぼす影響は、想像以上に大きい。
・促進 — それからどうしたんだ?
・拡大 — 例えば、どんなこと?
・要約 — つまり、こういうこと?
・転換 — ところで
・共感 — 確かにそうだね
・同意 — 私もそう思う
聞く技術はまた、相手の真意を見抜く技術でもある。人は言葉を本来の意味で使うとは限らない。
言外の意味を語調や表情、目の動きなどから読み取る力を磨くことだ。
企業の活動を支えるのは現場である。現場を活性化するには、リーダーの聞くコミュニケーションが重要な役割を担う。
福田 賢司
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